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久米 民和
第21回日本アイソトープ・放射線総合会議論文集, 0, p.B130_1 - B130_11, 1994/00
オイルパーム廃棄物の飼料化について、資源の有効利用及び環境汚染防止の観点から述べる。パーム油の生産にともない、製油工場から出る主要な副産物は、空果房(EFB)24%、果肉繊維(PPF)21%、核殻8%、パーム核粕2.5%である。同時に排出される廃水は、パーム油生産量の2~3倍であり、有機分が多く河川の汚染の原因となっている。従って、廃水中の固型分をスラッジとして回収し、一部は飼料として用いている。セルロース質廃棄物であるEFB及びPPFは年間300万トンにのぼり、肥料生産や燃料用に灰化あるいは燃焼され、煙公害の原因となっている。EFBは放射線殺菌と糸状菌による発酵処理を行うことにより、高タンパク質の飼料に変換することができた。また、EFB培地の栄養源としてスラッジを用いることが可能になれば、パーム油工場内の廃棄物だけで飼料化でき、効率的な資源のリサイクルが期待される。
加藤 一憲*; 宮原 信哉
PNC TN9410 93-282, 92 Pages, 1993/10
高速増殖炉では、事故時に発生する放射性物質が格納施設内から環境中へ漏出するのを防ぐため、その雰囲気をフィルターで浄化している。高速増殖原型炉「もんじゅ」では、鋼製の格納容器とその外側のコンクリート製格納施設の間にアニュラス部を設け、常時その雰囲気をフィルターで浄化しながら負圧に維持することによって、放射性物質の環境中への漏出を防止している。このアニュラス循環排気系に設けられたフィルターは粒子状物質を補集するためのエアロゾルフィルター(多層式、中性能、HEPA)とガス状ヨウ素を補集するためのチャコールフィルターから構成されている。これらの補集効率等についてはエアロゾルフィルターについてはナトリウムエアロゾルを使用した試験によって、チャコールフィルターについては単体ヨウ素(I2)とヨウ化メチル(CH3I)を使用した試験によって、各々の性能が既に確認されている。しかし、ガス状ヨウ素についてはエアロゾル用フィルターによっても補集されることが報告されており、また、ナトリウムエアロゾル環境下ではそれがさらに加速される事も考えられる。そこで将来炉に向けた国の安全研究年次計画の一環としてナトリウムエアロゾル環境下におけるガス状ヨウ素のエアロゾルフィルターとチャコールフィルターによる補集効率に関する試験を実施した。その結果ナトリウムエアロゾルとガス状ヨウ素(I2)が混在する条件下において、エアロゾルフィルター、チャコールフィルターが実機で期待する性能を有していることが確認された。また、この条件下においてガス状ヨウ素(I2)はエアロゾルフィルターで良く補集される(99%以上)ことがわかった。これにより、ガス状ヨウ素(I2)がエアロゾルフィルターで補集される効果が、フィルター性能評価上十分期待できることが明らかとなった。